本日、シャープから一般向けにマスクが販売されました。
アクセスが集中して販売ページに行けないようですね。私も試してみましたがたどり着きません。
マスクの生産はシャープだけではなく、一般向けまでにならないとしても、トヨタ、ブリヂストン、パナソニックなど、今までマスクの生産をしていなかったメーカーが始めています。
布マスクについては、アパレルメーカーが生産に参入し、ネット通販を通じて予約販売がされている状況です。
酒造メーカーでもアルコール消毒液にも使用できるお酒を作り始めています。
新型コロナウィルスの影響で外出自粛の要請を受けている中、観光業界、エンタメ業界、飲食業界は打撃を受けているのが現状であり、コロナ不況に向かっているとニュースで言われています。
観光業界はインバウンド需要でしたから、海外からのお客様が来なくなると大きな打撃になりますし、国内でも移動制限が出るとさらに打撃になります。
その中でもホテルは自治体からの軽症患者の受け入れでしのいでいるところもあります。エンタメ業界もWEB配信でしのいでいる、飲食もテイクアウトでしのいでいこうとしています。
マスク生産にシフトしたメーカーも海外での部品の生産ができず、輸入できなくなったことで工場を稼働できなくて本来の生産に打撃が出ているところもあります。
なぜこれからコロナ不況で経済に打撃が起こるかというと、モノづくりで日本が成長してきたにもかかわらず、近年はコスト重視でモノづくりを海外にシフトさせ、技術が若い世代に継承されなくなってきたこと、一方サービス業が増加し、若い世代がサービス業に就いてきたからです。
このようにコスト重視でモノづくりを海外にシフトすると今回のような事象が起きると国内生産ができない分、打撃が大きくなります。モノづくりの技術はサービス業の技術に比べると時間がかかります。国内でサービス業が多くなった背景には、より良い暮らしを求めるニーズがあることの他に、人の育成に時間がかからないということもあったことでしょう。
5年で一人前になるより、1年で一人前になる方が確かに効率は良いです。このように効率重視で経済が進んでいき、この流れで若い人の間にも、早く活躍できないといけない、という風潮ができてしまいました。
今はモノづくりについて見直す機会とも捉えられます。マスクについては日本のメーカーであっても工場は中国にあり、中国に生産を頼っていたことでこの時期に輸出の制限がかかり、充分な量を供給できなくなりました。今回はマスクですが、別の製品でも他国で需要が起きれば、海外の工場は高い値段で買ってくれる国に輸出するので、自動車にしろ、家電にしろ、洋服にしろ入ってこなくなることが今後もありうる、と考えられます。
観光などで他国の顧客に依存していくことも不安定です。今回のように渡航制限が出ると相当打撃が出ます。伝統工芸品の技術を継承し、作り続けていくことができれば、今回のようなことが起きても伝統工芸品の販売で乗り切ることができるのです。
もちろん、体験を提供するという意味で、観光そのものは必要な業界です。伝えたいことは、サービス業に偏りすぎないこと、農業、工業といったモノづくりも見直し、回帰していくことも考える時期、ということです。農業も海外での生産に頼りすぎると、現地での自然災害などで生産に打撃があると、現地の人の食生活を守るために輸出制限がかかるでしょう。
モノづくりの回帰が進むと、障害者雇用もより進みやすくなると私は考えています。
事務系の仕事はIT化により、ますますスリムになり、雇用が難しくなってきます。しかし、モノづくりは適性があるかどうかにもよりますが、活躍できる場が今より増えていきます。
サービス業は立ち仕事もあり、対応できない身体障害の方がいる一方、顧客がいる限り仕事が終わらないため、長時間労働にもなりがちです。そのため長時間労働が難しい精神障害の方も対応ができないのが現実です。
また、複数の顧客に一度に声をかけられやすい環境もあり、これが知的障害の方や発達障害の方が対応できないこともあります。
生産現場であれば分業などの工夫でそれぞれの方に負担のかからない配慮ができることが多いです。
日本が戦後、モノづくりで成長していった過程がある中、モノづくりは先進国の仕事ではないと考える方もいるでしょう。しかし、そんなことはありません。最初にiPhoneを作ったのは、最初にお掃除ロボットを作ったのはどの国でしたか。
人件費は確かにかかるので、国内で生産すると製品の値段は上がります。それでも、現在中国から頑張って輸入している会社が販売しているマスクとシャープ製のマスクの値段の差が1000円もいかないところから、シャープ製のマスクが欲しいと考えている方も実際にいます。このように国内生産のものを消費者が買おうとすれば国内生産にとどまることができますし、海外生産においても安く買いたたかれることがなく、適正な値段で取引されるフェアトレードが進んでいきます。今の中国産のマスクの値段の高騰した値段も、本来はこの値段が適正価格だったのでしょう。シャープのマスクの値段が判明して私は理解できました。
学生さん向けの就活に関する動画も作成しました。
この動画の中では入れられなかったのですが、全部が不況、というわけでなく、忙しい業界もあるよ、ということを概要欄に追記しています。
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