「働くこと」は「生きること」

私の知人で、難病を抱え車椅子や杖を使いながら、歌で勇気と元気を届けるシンガーの小澤綾子さんがいらっしゃいます。タイトルの言葉は彼女の言葉です。

障がいがあっても働きたい、社会の中で生きたい、ということがよく伝わる一言です。

「働くこと」は「生きること」

これは、障がいがあってもなくても、関係ないのではないのでしょうか。

今は「健常者は働かなければいけないよね」とあまり実感しないかもしれません。

しかし、あまり遠くない将来、健常者でも「働くことは生きること」なのに、「働けない、仕事がないなんて、何のために生きているんだろう」と人生に落胆することになります。私もきっとそのひとりになることでしょう。

書店に寄れば「10年後になくなる仕事」などのタイトルの本がありますが、これからAIが普及し、いろいろな仕事がなくなっていきます。AIは便利なものでもありますが、人間以上のことができてしまう以上、人の生き甲斐を奪ってしまうのです。

人はひとりひとり、人生の目標(=人生の意味・使命)を持って生まれてきます。こんな表現をしてしまうとスピリチュアルカウンセリングのようですが、実存分析(ロゴセラピー)や社会的学習理論もあり、これは地に足のついた考え方です。ただ、本当の人生の目標に気づかずに違う目標に向かったまま人生が終わってしまうこともあります。

AIは仕事を奪っていきますが、高度な性能のため、使命に生きている人の仕事も奪います。やりたくもない仕事をしている人にとっては「仕事がなくなった、困った」となり、使命に生きている人にとっては「生き甲斐がなくなった」ということになっていきます。

生き甲斐がなくなる時代に、どのように生きていけばいいのか、仕事がなくなる以上に深刻に受け止め、これからの生き方を考えていかなければなりません。


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